和牛のいる生活

北海道で牛飼いの勉強中です。

牛舎ねこ

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こんばんは。
私が働く牧場に限らず、多くの牧場には猫が住み着いています。
雨風しのげて、ネズミやハトがいて、運が良ければキャットフードももらえる、猫にとっては住みよい環境なのかもしれません。

M牧場にも、ハチワレの夫婦が住んでいます。
住んでいました、といった方が正しいのか、お母さん猫は現在行方不明です。
ものすごく人懐こく、高めの声で鳴きながら近寄ってコテンとお腹を見せる、とてつもなくかわいい猫ちゃんだったのですが、いつの間にか見かけなくなりました。
ごくたまにニャオニャオと歩く姿を見かけるので、死んでしまったわけではなさそう。
もしかしたらよそで子猫を産んで育ててるのかなあ。
お父さん猫は異様にふてぶてしいオーラを放ち、つねにリラックスモード。

お母さん猫は去年3匹(もっといたのかも)の子猫を出産。
最初は屋根裏に隠れて大運動会を繰り広げていましたが、徐々に私たちにも姿を見せるように。
誰もお母さんの遺伝子を受け継がず、人には寄り付きませんが、親方があげているキャットフードは欲しい様子で、ごはんの時間が近づくとエサを入れるボウルのそばに集合し、無言(たまに鳴いてアピール)の圧力をかけてきます。
なかでも比較的人間にビビらないのが特徴的な模様の「イチワレ」。漢数字の八ではなくローマ数字の1みたいな模様のため命名
残りの2匹はきれいなハチワレで見た目も警戒心が強いところもそっくり、唯一しっぽの長さだけが違うのでそれぞれ「ナガワレ」「ミジカワレ」。

さらに、去年の秋ごろ突然やってきたのが「ぐにゃぐにゃ」。
見た目は白黒ですが、ハチワレになっておらず、ペンキをかぶってしまったようなちょっと不格好の猫。
来たばかりのころは痩せていて声も枯れ気味だったのですが、エサをもりもり食べたことにより毛ヅヤが復活、声もかわいらしくなりました。
今牧場でいちばん存在感があるのはこの子です。唯一触らせてくれるけど、抱っこは大嫌い。

ところが、ここ最近突然新入りが現れました。それも2匹!
両方ともオス猫で、淡いクリーム色でうっすらトラ柄の猫と、ちょっと茶色がかった黒猫。
トラ柄はとても貫禄があり、何年も前からここにいたかのように処理室(子牛のミルクを作る部屋で、キャットフードのおいてある猫たちのたまり場)に居座っています。
先住猫たちが気にしていてもどこ吹く風。喧嘩を吹っ掛ける様子もありません。
黒猫はトラ柄につきっきりで、姿が見えなくなると心細そうにミイミイ鳴いています。こちらは先住猫に興味があるようで、話しかけてみています。
2匹はペアで牧場内を闊歩し、先住猫たちがあまり近寄らないエリアも散歩していて、なんだか牛舎猫の関係が変わりそうな予感。
すでにナガワレ・ミジカワレコンビとお父さん猫はあまり見かけなくなりました。
ぐにゃぐにゃは予期せぬ新メンバーに完全に困っていて、常にニャオニャオニャオニャオ何かを伝えてきます。顔が必死でめちゃくちゃかわいい。

新入り2匹は野良でどこかをさまよっていたのか、毛ヅヤも悪くダニや目やにがついていますが、物おじせずエサを食べているので、時間が経てば健康になっていくでしょう。
先住猫がいなくなるのはさみしいので、仲良くやっていってほしいところ。
牛舎猫の観察は明日も続く。おやすみなさい。