和牛のいる生活

北海道で牛飼いの勉強中です。

日記 / 二月の勝者を見て

f:id:non_moo:20211114222448j:image

◆2021年11月12日(金)
この時期は本当にやることが少ない。
午前中は凍結に備えて屋外にある全ての水栓の元栓を閉め、蛇口を解放してホースの水抜き。哺乳ロボット牛舎の掃除。
特に午後やるべき仕事もなさそうだったので夕方の作業まで家で休んでいたら、その間に分娩があったらしい。兆候が全くなくて気づかなかった。強いて言えば乾草をあまり食べていなかったけど、初産の牛で産室に入るのが初めてだったので、慣れていないからだと思ってしまった。
こっこ(子牛のこと)は大きなメスで、牽引して助産したとのこと。ワンコールでも連絡くれれば駆けつけるのに、このパターンはいつも事後報告で手伝えない……通いで牧場の仕事をしているとこういう時にもどかしい思いをする。
今回分娩した牛は私と同じ名前だったので特別思い入れがある。私がはじめてM牧場を訪れたときに生まれたので私の名前をつけてくれたとのこと。
とりあえずお母さん業をこなしているようで一安心。頑張っておくれ〜。

◆2021年11月13日(土)
休日。お昼前に出かけて近所で一番大きいドラッグストアへ。
冷凍食品やお菓子なども種類豊富、おまけに安くてついいろいろ買ってしまう。
鏡月アセロラ味を久しぶりに買った。大学生の頃何度殺されたことか…
晩酌でソーダ割りにして飲んだらすっきり飲めた。なんだか成長を感じる。
夕飯には手づくりのジャージャー麺ウー・ウェンさんの小麦粉レシピ本を参考に強力粉+水で作ってみた。成形というか製麺?が難しくて不揃い&ところどころ団子になっちゃったけど、肉味噌とキュウリを乗せて混ぜて食べたらとてもおいしかった。
小麦粉レシピ本は図書室で借りたものだったけど、いろいろ試してみたいし使っていたら汚してしまいそうなので、購入も検討しよう。
そういえばおはぎも作った。おかみさんが「砂糖抜きのあんこ」をくれたので、火にかけて砂糖を混ぜてこしあんを作り、丸めたおこわを包んで完成。たまたまトドックのキャンペーンでもらったもち米が家にあったのでよかった。
お酒を飲みながら「二月の勝者」を見る。教育の環境が東京と地方では違いすぎる。
私は中学受験が珍しくない環境にいたので、あのような「受験戦争」を見てもどちらかといえば懐かしく感じるくらいだが、生粋の道産子である夫からすると異常に見えるようだ。

◆2021年11月14日(日)
今日から13連勤でちょっと憂鬱だが、今週はおかみさんが留守にするのでちょっと気楽。
連勤の先にはおいしい食事と楽しい飲み会が待っているので頑張ろう。
作業をしながら昨日の「二月の勝者」に思いを馳せる。「いい中学」に入ると「いい大学」、ひいては「いい企業」に入りやすくなり、安泰な人生を手に入れやすくなる、ということなのだろうか。そういう金銭的、社会における立場的な安定を手に入れるためだけではなく、知識レベルが同じ仲間と切磋琢磨できる貴重な環境を子供に与えたいという気持ちもあるのだろう。
首都圏に生まれて「東大に行きたい!」と思った場合、日能研サピックスに通って御三家を受験し、中高一貫校に入って今度は鉄緑会に通いながら東大を目指す、という道筋を簡単に描くことができる(実現できるかは別として)。日能研や御三家、鉄緑会の部分を別の塾や学校に置き換えても、東大ルートは比較的わかりやすくイメージすることができる。
でも、地方に生まれて、たとえば今住んでいる人口5000人未満の街に生まれて「東大に行きたい!」と思った場合、どうすればいいのかわからない。中学校は街にひとつしかないし、塾に通うとしたら車で40分かけて送迎をしなければならない。そして東大へ合格できそうな水準の高校を受験し、無事受かったとしてもそこに通わせるためには子供を下宿させなければいけない。それでもその高校から合格できるのかな?って感じで、なかなかハードルは高そうだ。
きっと今はオンラインの個別指導とか講義とかが普及しているので学習環境は良くなっているんだろうけど、そもそもスタートラインが違いすぎるよなあ…と考えてしまう。
東京でやりたくないのに無理やり受験戦争に参加させられている子供や、田舎で勉強が好きなのに環境が整わずに芽が出ない子供が減って、生まれや育ち関係なしにその子に合った勉強ができる世の中になったらいいな。
首都圏は本当に選択肢に恵まれているということが、離れて初めてわかった。
そんなこと考えてたら午前中は終わり、午後は本を返しに図書室へ。
「昨夜のカレー、明日のパン」すごくいい本だったな。
今回は「オーラの発表会 (綿谷りさ)」「あのこは貴族(山内マリコ)」「キリンが小説を読んだら(本よみうり堂)」の3冊をチョイス。ちょっと女っけの強いチョイスかも。
今回借りた本の返却日は11月28日。もう11月も終わりかあ。

/ 時間測るの忘れた