和牛のいる生活

北海道で牛飼いの勉強中です。

1024 / 変えられるのは……

こんにちは。無事原稿は完成して送信することができた。これでひと安心。
そう言ってるとすぐ来月の締め切りになっちゃうんだよなあ……笑
なんだかんだ半年は続いている。まずは1年続けられるといいね。

◆10月24日(月)
朝から憂鬱。なぜなら、午後におかみさんと担い手チームの方との話し合いが控えていたから。あまりに関係が悪すぎて、一度第三者を交えてお互いの考えを伝えあおうということになったのだ。それ自体は喜ばしいことなんだけど、どう考えても実りのある話し合いにはならない気がして心が重かった。

午前中は牛舎の掃除、獣医さんにお願いして去勢1頭と妊娠鑑定6頭。
牛ちゃんも無事受胎。元気な子牛を産んでちょうだいね。
6頭中5頭プラスで、パーフェクトは達成できなかったけどまずまずの成績。
獣医さんが帰るころにはお昼になっており、帰宅してお昼ごはん。ああ、これ食べ終わったら話し合いか……
ここから先は、あまり読んでいても楽しくないかもしれない。

のろのろ支度して牧場に向かい、いざ話し合いがスタート。
冒頭にも書いたとおり、今回の話し合いは「関係性を改善するためにお互い思っていることをぶつけよう、中立の立場として第三者に入ってもらおう」というコンセプトのもと行われた。
正直にいえば、私が思っていることは特にない。特にないというか、ぶつけるほどの熱い思いはない。憎んでいるわけでも、ここを直してほしいというわけでもない。なんなら仲直りしようという気持ちもない。仲が悪い、というのも違うんじゃないかなあ。一方的に嫌われているだけで、私から向こうへアクションを起こしたことはない。ネガティブな対応をされて距離を取ってしまう、言い返すのは(アクションではなく)Reアクションであって。
それに、私たちは牧場の経営者と従業員であって、牛がきちんと育てばそこに仲良しこよしは必要ないと思っている。愛の反対は無関心モードに突入してしまっているのだ。
ところがおかみさんはそうではない。彼女が目指しているのは「理想的な嫁と姑」なのである。だから本当は一緒に庭仕事とか漬物づくりとかしたいんだと思う。口を開けば過去の苦労話と「それに比べていまの若者は」トーク、ちょっと行き過ぎて私の出自まで揶揄するような人とはそういうことはできない。まず嫁じゃないし。

今までもかなりのことを言われてきたからこの日も覚悟していたら、わりと最初の方に「子どもが巣立ち、義両親を見送り、やっとゆっくりできると思ってたのに、あんたたちが来て私の生活が壊れた」と言われた。はーい、閉店ガラガラ。
私たちをおじゃま虫だと思っているのは知っていた。前にも似たようなこと言ってたし。でも、それ、私たちに言われてもどうしようもできないんだよね。私たちは「後継者探してる牧場があるから研修してみない?」と言われて、窓口の親方は就農に前向きだったから、担い手として頑張ろうという覚悟で退路を断って来たわけで。自治体の方々もサポートするよ!応援するよ!って言ってくれてたし。
それがふたを開けてみたら牧場の内側に強烈反発分子がいたなんて、聞いてないよって。反対するならもっと早い段階で、私たちではない人に伝えないと。
百歩譲って「私は反対してたのに!」と思うのは自由だが、それを何の力もない張本人に伝えてどうする。こういう言葉や態度から、今回の話し合いも「お互いの」ではなく「私の」思っていることを聞いてほしい、という気持ちがめちゃくちゃ伝わってくる。

おかみさんにとっての私は「嫁」なので、ヒエラルキーはいちばん下だ。だからすべての負のエネルギーをぶつけてもよいと思っている。嫁は我慢してナンボだから(自分がそうやって生きてきたから)。
だからなのか、話を聞いていても「双方が少しずつ歩み寄ろう」という思考は出てこない。私が「生活を壊したつもりはないし、そういう言い方は傷つく」と伝えても知らんぷり。
話し合いは3時間に及んだが、ほとんどすべて思い出話と愚痴だった。親方がおしゃべり苦手なタイプだから、さみしいんだろうな。私の思い、届かず。無念!!
まあでもいろいろ吐き出してすっきりできたのなら……いいか……なんか、千と千尋のオクサレ様やカオナシを思い出したよ……

最近の私が意固地になっていたのも事実なので、少しだけ力を抜くことにした。
カチコチに固まった相手に対応するにはこちらがしなやかでいないとね……「過去と他人は変えられない。変えられるのは未来と自分だけ」を信条にしていたのを思い出した(信条とは)。
そのまま夕方の作業を終えて帰宅し、夜ごはん。
話し合いに同席してくれていた方から電話をもらう。私があのトークに2年間耐えていた事実を知って、愚痴の源を改善できるよう動いてくれるとのことでちょっと安心。
夜ごはんのあとはBreaking Down 6のオーディションを見ながらイラストを描いた。
格闘技って全然興味なくていまもほとんどないんだけど、オーディションは好きなので比較的楽しく見ている。11月3日楽しみだね。
イラストがあとひと息のところまできたけど描き終わらず、急いでブログを更新して就寝。

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あまり楽しい話ではないからさらっと書こうと思ったのに、2,000字になってしまった……
良き方向に事態が動きますように。それではまた👋