和牛のいる生活

北海道で牛飼いの勉強中です。

0406 / 牛肉、またたび

こんにちは。今日は風が強い。春を感じるな……

◆4月6日(土)
この日は枝肉市場の開催日。ひっさしぶりに私たちも市場へ行き、自分の目で枝肉を確認することにした。
前回行ったときから時間が経ちすぎていて、何時に家を出ればちょうどいいのか忘れてしまった 笑
夫とふたりで出かけるのも久しぶりだ。コンビニでコーヒーとブラックサンダーを買い、いざ冷凍庫へ!赤ちゃんいるのに冷凍庫なんてダメかな……と思ったけど、よく考えたら真冬はもっともっと寒い中普通に外で数時間仕事してたんだった。耐えてくれ、赤子!
ふだんは専用のページにアップされる画像で検品するので自分の枝肉しか見ることができないが、冷凍庫を歩くといろんな生産者さんの枝肉を見ることができて楽しい。今回のM牧場のお肉は重量がしっかりあってよかったものの、中身がいまひとつ。これで中身もついてきてくれたらだいぶ売上変わるんだけどなー。

検品を終え、セリが始まるまで巨大ホームセンターでお買い物。
お昼ごはんはスープカレー!おいしかった。にんじんがすごい大きくカットされてごろんと入ってるんだけど、しっかり柔らかくて甘くておいしいんだよねえ。どうやって火通してるんだろう。

お腹いっぱいでセリに向かったが最後、ものすごく眠くなってしまった……
目をつぶってセリを聞き、なんとか売値と購買者さんをメモしていたら見かねた夫が交代してくれた 笑
M牧場の枝肉の価格を確認し、市場に来ていたお友達に声をかけて帰宅。帰り際に近場の商店に寄り、ワッフルを買った。レジ横においてあってつい……
なんてことないお出かけだけど、ふたりで出かけるの好きだなあ。

帰宅してひと休みし、夕方の作業、シャワー、料理。
みじん切りにしてあった新玉ねぎをストウブに投入して炒め、市販のカット野菜と豚肩ロースのかたまりを追加して塩をふる。あとはほったらかしておけばおいしい煮込みの完成。
あとは前日の残り、チンジャオロースとゆでサバ(今井真実さんレシピ)で簡単夜ごはん!おいしかったー。
夜ごはんのあとはブログを更新して就寝。

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Twitterで定期的にマタ旅=マタニティ旅行が炎上している。
今回は「旅館で刺身の盛り合わせを他のものにしてもらうようお願いしたら刺身こんにゃくに変更された、ありえない!」というツイートが図々しいと燃えていた。
「メニュー変更を希望しておいて変更内容に文句をつける」という行為を批判している人も多いが、「妊婦が旅行する」ということ自体を強い言葉で非難している人も多い。
「母子生存限界チャレンジ」とか揶揄されちゃうとね……ちょっと嫌な気持ちになるよね。
妊娠中に旅行に行きたい、という気持ちは別にあってよいと思う。妊娠していなくても、旅先で医療機関のお世話になる可能性はある。
ただ妊婦に関しては明確にハイリスクな人や時期があるから、自分や赤ちゃんのことを気にかける大多数の人はリスキーな旅行を避けるだろう。何とかなるでしょ精神のちょっと強い人が旅行したい気持ち(というか旅行したことをアピールする気持ち?)を優先してツイートするから悪目立ちしてしまうのだ。今回の人も41歳で妊娠後期という、黄色信号を通り越してほぼ赤信号の状態で旅行している。アカンサス

自分が妊娠する前だったら、私も「妊娠中に旅行とか甘すぎ、ないわー」と思っていたかもしれない。知識として妊娠するとどうなるのか知っていたつもりでも、いざ自分が経験してみると想像以上に制限が多い。体力やスタミナはびっくりするくらいなくなるし、小走りやしゃがむことすら難しい。転んだら、お腹に何かぶつかったらどうしようという不安、病気になっても薬を飲めないことが多く耐えるしかないという恐怖、腰痛やこむら返りなどのマイナートラブル、不安定なメンタルなど、なんというか総合してめちゃくちゃ弱体化するのである。そんな状況のなかお腹の赤ちゃんを健康に育てなければいけない、その舵取りをするのは自分である、というのはなかなかにプレッシャーがかかる。さらに嗜好品であるアルコールやたばこは禁止、カフェインや生ものについても控えた方がいいとか言われるし、スイーツや揚げ物、炭水化物はダイレクトに体重に影響してくる。体重だけでなく血糖値や血圧、尿たんぱくや子宮頚長などなどチェックが入って指導される。なんというか全方位に窮屈なのだ。

そういう状況で、残り少ない夫婦ふたりの時間をリラックスできる環境で過ごしたいというのはわがままではないと思う。もちろん事前に医師と相談して、何かあったときに対応できるよう準備を整えていくのは大前提としてね。

世の中には多くの人がいる。その中には図々しい人がいて、たまたまそういう人が妊娠しただけのことなのだと思う。妊婦、子持ちというわかりやすい属性があるから「妊婦様」「子持ち様」と言われてしまうんじゃないかなあ。そう言われる人たちは、その属性がなかったころから図々しかったと思うんだよね。
私も夫に対して「もっと気遣ってくれぇ~~私妊婦だぞ~~~!!」と思うことがよくあったけど、そのころはまだ自分の弱体化っぷりを伝えきれていなかった気がする。当たり前だけど妊娠していない人に妊婦の気持ちや動きづらさは想像できない(想像できる!と思ってもその解像度は低い、妊娠前の私がそうだったように)から、言葉で伝えるのって大切なんだな。

私はちょっとならお刺身食べちゃうなー。水銀に関してはガイドラインが明確に定まってるし、食中毒やアニサキスに関してはそれ自体が胎児に影響あるわけではなく、そっから激しい下痢をすることが子宮収縮につながるという話で、刺身以外でも気をつけなければいけないことに変わりはない。普段より免疫が下がってて下痢しやすい状態である、ってのは頭に置いておくとして。
妊婦が感染することで明確に胎児に影響があり危険なのはリステリア菌だけど、どれくらい発生しているのか調べたら約23,000人の妊婦のうち5例、うち原因がわかっているのは1例だけ(未殺菌乳)。そして5例のうち3例は帝王切開で赤ちゃんは無事である( 妊娠中のリステリア感染の5症例 )。
もちろんそのうち2例は胎児が死亡しているのだから、気を付けなければいけないのは当たり前のことである。だけど、どれくらいの確率で発生するのか知っていれば、必要以上に慌てたり心配したりする必要はなくなるのではないかとも思う。
万に一つのリスクを考えてちょっとでも疑わしいものを避けるより、量や状態に気を付けてある程度は好きなものを食べたい、って単に私が欲深くて我慢のきかない性格ってだけか…… 笑

今回の炎上を受けて、常識の範囲内で旅行しようとしている妊婦さんが肩身の狭い思いをしたり、旅行先で妊婦さんに無条件で断罪のまなざしを向ける人が増えたりしないといいんだけど……

長くなってしまった。それではまた👋