和牛のいる生活

北海道で牛飼いの勉強中です。

1210 / 無念

こんばんは。
写真はクロス飲みせずにおりこうに哺乳している子牛ちゃんズ。
しっぽブンブン振っててかわいいんだよ。ちょっと汚れているところに下痢の名残を感じますが……

◆12月10日(日)
今週も頑張ろうねえ(※曜日を間違えています 12/12追記)。
朝、牛舎に入って違和感。手術した子牛ちゃんの部屋の扉が開いている。
ダメだったか。先に出ていた親方がカーフジャケット(子牛用の服)を脱がせて、そのまま扉を開けているのだ。
悲しいけれども、覚悟はしていた。前日の21時ごろに様子を見に行ったとき、虚空を見て浅い呼吸をしていたからだ。経験上、こうなるとその時が近い。
浅い呼吸の次は深くてゆっくりな呼吸になって、いずれ止まる。この状態になってしまうともう手だてはない。
ミルクも全然飲まなかったし、飲む意欲が日に日に落ちていっていたからなあ。
生後2週間以上経っていてある程度身体が大きくなっていたから、数日ミルクを飲めなくても蓄えていた筋肉や脂肪で踏ん張りがきかないかと思ってたんだけど。
なんというか、虚無感に襲われる。実は数日前にも1頭子牛が亡くなっていて、そのもう少し前には死産もあった。
肥育牛としてと畜される牛と病気やケガで力尽きた牛、同じ「死」であっても捉え方が全然違う。私たちは誰かのおなかや心を満たすために牛を育てているのだ。

分娩ラッシュと毎日の獣医さん対応、かけた時間や手当てもむなしく失われる命、身体的にも精神的にも経済的(出荷見込み3頭減=2年後の売上数百万減ってことなので……)にもつらい日々だった。
失った命は帰ってこないけれど、得たものはあるはず。同じことを繰り返さないように、世話をし続けるしかないんだよね。
死亡診断をしに来てくれた獣医さんも暗い顔をしていた。手術のとき助手をしてくれていた獣医さんで、ここ最近の往診ラッシュでしょっちゅうM牧場に足を運んでくれている。
かわいそうなことしちゃったな、と言ってくれたけどそんなことは絶対にない。手術してもらわなかったら確実にもっと早く死んでいたし、苦しんでいた。

しょんぼりした朝になった。
午前中は獣医さんの対応くらいかな。
午後はちょっとお昼寝してずっとパソコン開いてたと思うけど何してたんだったかな。家計簿とかつけてたのか。

夕方の作業をこなし、シャワー、料理。
ぶりとじゃがいもをストウブに入れて甘辛味にしたのと、えのきとにんじんの上に鶏むねを置いて蒸したのと、ダブルでメインに。
サブは……なし。笑 ゆでてあった小松菜にしょうゆをたらしてかろうじて緑を補給。
寝るまでにだいぶ時間があったのでのんびりYouTubeを見て過ごした。
BreakingDownのメンバーが合コンする企画を見たけど、今でも合コンってあんな感じなのかな?ああいう下ネタやおさわりで盛り上がる、とりあえず飲め~!みたいな飲み会って、今ではあんまり流行らないのかと思ってた。
TikTokでよく聞く「美少女無罪♡パイレーツ」もごりごりルッキズムというか「結局みんな若くてカワイイ女の子が好きなんでしょ?」みたいな歌詞に聞こえるし、意外とそういう文化って根強い?
キュートは正義はわかるけどね。万人がわかるからこそ流行るんだろうし。
キュートの中身が多様になっていけばいいな。

そんなこんなで就寝。

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なんとこの日夜中3回くらいトイレに起きた。疲れてるな……
それではまた👋